調査会傍聴 トピックは山本茂貴委員作のトンデモ草案

9月26日のプリオン専門調査会を傍聴してきました。資料や議事録はいずれ下記にUPされる予定です。
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/index.html
それがUPされるまでということで、簡単な感想を書こうと思います。今回は、たたき台案がいくらか進行していました。トピックとしてはNHKのニュースでも流れたようですが、「食肉と内臓の日米安全性の比較」の部分を山本茂貴委員が作成しており、説明してました。

その内容を見て私は唖然としましたが、どういう内容かというと、まるで世間知らずの箱入り娘が作ったような内容で、内容は「検証データ」ではなく「米国政府の言い分」だけを「検証もせず」に羅列、「〜と仮定すれば、日本と同等と思われる」という内容ばかりでした。もはや(勿論?)「結論ありき」です。たたき台とはいえ、あまりの酷さに、私は日本の食の安全についてますます不安を感じました。

当然、北本先生や甲斐(女)先生などのみなさまから、クレームがつきまして、次回に持ち越しです。他にも吉川座長の作った部分など、動物油脂や血漿蛋白のリサイクル問題などに全然触れなかったり、ツッコミを入れたい部分が山積みでしたが、そこは今回は議論の対象にはならず。
農水省BSE感染源として「代用乳」の中の成分(動物油脂や血漿たん白)を再検証するみたいですが、プリオン専門調査会では米国の評価について、それらからの感染リスクや国内増幅の検証をちゃんとしていません。「オランダ産」だけを取り上げてそれで誤魔化してるように思えます。まさか、このまま無視するつもりでしょうか?(^^;http://www2.odn.ne.jp/~cdu37690/daiyounyuusaikensyou.htm


消費者としての最終的感想を言えば、
食品安全委員会が「SRMを除去すれば日本と同等、責任は食安易ではなくリスク管理部門に」という結論を導き出すことを前提に動いているのであれば、消費者としての自衛策は、SRM検出キット(70セットで7〜8万だから団体やグループで購入?)を活用して自分で購入したものを検査するしか道はないだろうなぁ、という考えがふつふつ沸いてきたりしております。一度試してみたいものです。

中枢神経組織検出キット
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/88ee603a342964cc6f5e0c29c9cc6b7f

■山本茂貴委員 作&説明のたたき台 一部抜粋

たぶん、食安委の資料UPが明日か明後日だと思うので、手打ちですが、その部分の概要、および、なんじゃこりゃ、と気になった文章をいくつか抜粋してUPしますね。(資料2−たたき台修正案 P-13〜
 山本茂貴委員 作 & ご説明

3 リスク評価−食肉・内臓(汚染率・汚染量)
3.1 牛肉及び牛の内臓のBSEプリオン汚染リスクの比較
と畜検査 
と畜前検査
>米国では、と畜場に搬入される牛を搬入時に1頭ごとに、食肉検査官(獣医師を含む)が歩行状態などを目視で検査する。しかし、大規模と畜場では1人で5000頭を目視で検査する必要がある。これは日本の大規模と畜場の10倍以上の処理頭数であり、異常牛が見逃される可能性が高いことは否定できない。
>米国では、生体検査により異常を示した牛は、通常のと畜ラインと別のラインで処理されるため、通常食用にはまわらない。(と畜場における検査官(獣医官、検査官)の役割及び権限について記載。)日本では係留場において獣医師が1頭ごとに目視検査を行う。

 対象年齢
>と畜牛の対象年齢はBSEプリオンの蓄積度(感染率と蓄積量)に関連する。日本においては全月齢であり、米国では日本向けに20ヶ月齢以下の牛が対象となる。米国では、通常、と畜後、歯列検査により30ヶ月齢以上と以下に区分する。米国では、20ヶ月齢以下は出生証明書(出生証明書により判定される牛は現状では年間と畜頭数の約10%)もしくはA40の枝肉規格(A40により判定される牛は現状では年間と畜頭数の約10%)で判別されるが、21ヵ月齢以上の牛の枝肉が、A40以下の評価される可能性は、99%の信頼度で1.92%以下である。
>2004年4月以降、日本はトレーサビリティのシステムにより出生年月日で管理されている。米国では、健康と畜牛(肉用牛)の約90%(約2510万頭){肉用牛の年間と畜頭数約2700万頭(去勢牛;約1650万頭+未経産牛;約1050万頭)のうち約2430万頭+子牛80万頭)}が20ヶ月齢以下である。日本のと畜頭数(全月齢で)は年間約130万頭である。2005年現在、出生証明書により、20ヶ月齢以下の牛を確認できる牛の割合(年間と畜頭数の約10%。25%とする見方もある)は少ないが、日本への輸出を念頭に、急速に増加しているとの報告もある(文献)。

と畜場でのBSE検査
>日本においては2001年9月に最初のBSEが確認され、同年10月からBSE検査陽性牛を食肉から(中略)米国では、と畜場におけるスクリーニング検査を行っていない。ただし、サーベイランスとして、30ヶ月齢以上の健康と畜牛のごく一部(2005年7月25日時点で34頭)を検査しているにすぎない。

高リスク牛の排除
>米国ではと畜前検査により中枢神経症状牛、死亡牛、歩行困難牛は食用禁止とし、高リスク牛を食肉製造ラインから排除し、それらを中心に拡大サーベイランス対象として検査を実施している。

スタンニング(抜粋)

→私の感想:「スタンニングやピッシングによるリスクは感染牛の頭数により異なるじゃん」

ピッシング(抜粋)
>ピッシングによるリスクは米国では無視できる
→この面だけは日本より米国のほうが進んでいる。日本の改善点なども羅列すべし、ピッシングしてて本当に大丈夫か、日本では現在どのくらいやっているのか、「何を根拠に無視できると書いたのかが見えない」云々との多数の議論、クレームがなされました。

SRMの除去(略)
1036件の違反についての米国政府の言い訳をそのまま掲載。

内臓等について(抜粋)

(←他委員より”この文いらない”、の指摘あり)

SRMの除去が適切に行われていれば、米国と日本の全月齢の牛の内臓と比較した場合のリスクは同等であると考えられる →この部分ほかについて甲斐女先生や北本先生ほかの委員の皆様から「仮定を前提とした文章はいらない、仮定を繰り返せば全部がOKとなってしまう?。バイアスをかけることになる、言い過ぎ」「結論ありきと見えてしまう」とか、沢山のクレームが出ました。といえば、炎症部位にプリオンなんていう最近の科学は一言も出てこなかったような。。 脊髄除去、枝肉洗浄後の確認(抜粋)米国における脊髄による枝肉の汚染は、日本と同様に無視できる 手順・記録(抜粋)SRMの除去の実効性、脊髄除去の確実性については、米国と日本は同等に記録により確認できる。 トレーサビリティ(省略) 書いているうちになんか唖然としてきまして、全部UPできずにすみません(^^;