狂鹿病(CWD)とBSE評価について食安委に質問してみた

食品安全委員会に今朝、以下の質問メールをいたしましたので、ご報告いたします。練られてない文章で先方にもちょっと気の毒ですが、とりあえずは送ってみました。
http://www.fsc.go.jp/dial/index.html
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■標題 : BSE・CWD問題について 食品安全委員会の見解をお聞かせください。

質問1
米国牛の安全評価上、鹿の蛋白が牛の飼料とヒトの食品に混入している件についての食品安全委員会のご見解

質問2
鹿などの混入した動物油脂や肉エキスが米国から輸入されていないかの確認の件

質問3
畜産システム研究会が発表した、日本のBSE感染源は「動物油脂」または「血漿蛋白」と考えられるという研究発表に対しての食品安全委員会のご見解

質問4
米国牛の安全性評価において、オランダ以外の発生国からの油脂、血漿蛋白の輸入状況を調査しないのは何故ですか?

質問5
米国牛の安全性評価において、米国国内での牛や鹿などの動物油脂、血漿蛋白飼料リサイクルについての評価が入っていないのは何故でしょうか?

質問6
吉川座長のたたき台内容が、過去吉川座長が発表された見解と大きく異なる点について

質問7
吉川座長のたたき台数値が、EFSAの報告書などを無視した数値である件、および数値の根拠について

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いつもお世話になり、誠にありがとうございます。

FDAの資料によると、米国のレンダリングの場において、多種の動物が分離されていないという問題報告がされているとのことです。
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/709389673cd6aa716ef2016ddafc9227

鹿のレンダリングですが、この資料http://www.renderers.org/economic_impact/sparks.pdf
の13ページのtable4(原料)の”other”の中に山羊・バイソン・鹿などが含まれているようです(前ページ末の注)。

CWD陽性の鹿のレンダリングは2002年11月に禁止したとありますけれども、
http://foodhaccp.com/msgboard.mv?parm_func=showmsg+parm_msgnum=1005902
しかしながら、米国において鹿の全頭検査はなされているのでしょうか?仮にしていたとしても、それこそ、米国が主張されるように、「検査には科学的に検出限界がある」ので、高率でCWDに汚染されている米国の、陽性の鹿がレンダリング食物連鎖に入る可能性があります。

ということは、米国の牛の飼料において、州によっては20%もCWDに感染しているような状態にある、米国の鹿の血液や油脂が混入していることを、FDA自らが認めているということになると考えます。

このことについての食品安全委員会のご見解をお聞かせいただきたく、お願いいたします。

さらにまた、人間もレンダリングの副産物である動物油脂や肉エキスを食べているわけですから、人間も鹿を食べていることになります。
狂鹿病の場合、若いハンターが食べての感染疑い例があり、事実だとすれば食の安全上、大変な問題だと感じております。

そこから考えますと、日本に輸入されている肉エキスや動物油脂は大丈夫なのでしょうか?鹿に対しての規制はどのようになされ、どう確認・検査されているのでしょうか?

現在、日本に輸出されている動物油脂や血粉などについての規制・検査内容についての状況をお教えいただけましたら幸いです。

質問3についてですが、畜産システム研究会のシンポジウム「BSEと飼料問題」にて、日本のBSE感染源についての研究発表が国会の農水委員会でなされてから、突如プリオン専門調査会の米国牛審議の資料に「オランダ産動物油脂の輸入状況について」が追加されました。飼料の現場からのシンポジウム研究発表を意識されてのことだと思いますが、食品安全委員会がその資料を入手しているにも関わらず、何故、専門調査会でそれら飼料問題の論文を直接取り上げないのでしょうか?

また、米国牛の安全性評価において、オランダ以外の発生国からの油脂、血漿蛋白の輸入状況を調査しないのは何故ですか?

米国牛の安全性評価において、米国国内の牛や鹿などの動物油脂、血漿蛋白飼料リサイクルについての評価が入っていないのは何故でしょうか? ”食品安全委員会が、動物油脂がBSEの感染源になると認めておられる”からこその「オランダ産動物油脂輸入状況の確認」であると存じますので、確認をお願いいたします。

質問6について
笹山登生さんの掲示板[1323]にある質問ですが、私も同様に疑問を感じましたのでお答えいただけましたら幸いです。
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi?page=50
[1323] 吉川座長の2年前の研究では・・ 投稿者:虹屋 投稿日:2005/09/17(Sat) 20:59

農水省の平成15年9月に公表された「牛海綿状脳症(BSE)の感染源及び感染経路の調査について」で吉川座長は、下記のような見解を発表しています。たたき台で、タロー(牛脂)を暴露・増幅リスク評価から除いたのか、皆目分からなくなりました。

感染経路モデルによる計量的な分析の結果と考察 (リスク分析)
「(この研究は)今後のBSE の発生を予測し、発生時の疫学調査リスク管理に役立てることをもう一つの目的」
>4.2.3.3 製造工程によるリスク
肉骨粉は、特定部位(SRM)の使用により汚染される可能性が極めて高い。肉骨粉の製造に際して、旧方式では汚染リスクの軽減若しくは不活性化はほとんど望めないが、新方式では高温処理(133℃、3 気圧、20 分)で10-4 以上の感染価の低下が見込まれる。内臓由来の動物性油脂汚染の可能性は低いが、レンダリング由来の動物性油脂では特定部位(SRM)を使用していたわけであるから汚染の可能性を否定できない。その場合、動物性油脂中の不溶物として混合汚染を起こしている可能性がある。他方、内蔵由来の動物性油脂に関しては、その感染価はと畜・解体時の交差汚染の確率で2/100(2%)、アルカリ処理・ろ過で10-4 減衰すると考えられる。配合飼料における肉骨粉の混合量は多様であり、特定できない。

用語の補遺
○ 獣脂かす(玉じめ)
動物性食用油脂( 脂身) の製造原料を加熱処理し、固液分離したかすを油圧プレスで搾油した固形物で一般的に円盤状
* 油脂分25〜30% 肥料用原料として利用( 豚・鶏由来)( 現在、牛の獣脂かすは肥料利用されていない。)
○ 肉粉
(1)獣脂かすを油脂分18%以下に絞り粉砕・篩別したもの
(2)動物性食用油脂(脂身)を固液分離した粕をエキスペラーで搾油し、粉砕・篩別したもの

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また、吉川座長のたたき台について、以下の疑問が出ております。EFSAの報告書などを無視された、たたき台の数字の根拠についてお答えいただけますれば幸いです。

吉川マジックの舞台裏 米国BSE汚染度の計算は根拠不明な仮定の積み重ね
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05091501.htmお手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。