若年ヤコブ病7人、病理解剖なしで診断&食安委:米国牛の何を評価?

■国内のヤコブ病30〜40代の患者は20人、11人が死亡、7人が解剖されていない。 

■変異型クロイツフェルト・ヤコブ病は、現時点では、解剖をしないと確定診断がつきません。
日本でも、解剖をしないで、弧発性のヤコブ病として診断されていることもあるかもしれないというニュースです。

「日本人初の患者は当初、変異型とは別のタイプのヤコブ病と診断されていた。死後の解剖所見で初めて変異型と確定した経緯がある。変異型は若年層に多い。一方、別のヤコブ病は国内では高齢者に多いが、30〜40代の患者も20人確認されている。うち11人が死亡したものの、7人は解剖されていないことが、先月の衆院農水委員会で明らかになった。疑わしい例は変異型の確定診断に結びつけ、安全対策に生かすきめ細かな診療体制が求められる。」(抜粋)
http://www.yomiuri.co.jp/features/kgbs/200503/kg20050311_01.htm

注:診断への足がかりとなるはずの脳波が、測定時期により異なり変異型→弧発型と変化してしまったとかいうニュースも見たような? また、下記のように、診断基準の変更を検討というニュースも過去にあり。 

■変異型ヤコブ病 厚労省に不安訴える電話相次ぐ (2005年02月06日産経)
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/shakai/20050206/m20050206020.html?C=S
「男性は平成十三年十二月に発症。ヤコブ病のうち原因不明の「孤発性」に特異な脳波が、診断初期の主治医の検査で確認された。世界保健機関(WHO)が二〇〇一年に作った診断基準では、この脳波が出ないことが変異型の重要要件とされていたことから、厚労省サーベイランス委員会は昨年九月、男性を孤発性と診断していた。死亡後の脳の病理検査で、変異型だったことが判明。「孤発性に特徴的な脳波が出たのに、変異型だったというのは、世界的に珍しい」(厚労省疾病対策課)ケースと分かった。同省は、英国の専門機関に職員やサーベイランス委員を派遣し、今回の症例や指針見直しが必要かどうかを検討することにした。(抜粋)」



十代の患者さんもいるそうですが病理解剖されたのでしょうか。
http://idsc.nih.go.jp/idwr/ydata/02-3138.html
亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。はやくこの病気の治療ができることを。。

米国では、アルツハイマー診断をうけたうちの13%がCJD(クロイツフェルト・ヤコブ病)の誤診だったという89年の研究結果があるそうです。
「散発型CJDに見えるからといってBSEと無関係だと決める訳にはいかない、と人々は気付き始めている”と、Yale Universityの神経病理学講座、外科部門主任Laura Manuelidisはこのように云っている。彼女は1989年実施した研究で、アルツハイマー患者の13 %は実際はCJDに罹患していたことを見出している。」
http://www.med.oita-u.ac.jp/infectnet/oitav5n1.pdf
米国で初めてvCJD(変異型クロイツフェルトヤコブ病)と確定した、シンさんという女性は、米国では正しい診断が付かず、結局不安に思った家族が英国に連れて行き、英国で確定を受けたそうです。
http://www.cnn.com/2004/HEALTH/06/21/madcow.patient/

ヤコブ病詳細については
ヤコブ病サポートネットワーク
http://www.cjd-net.jp/
■CJD発生動向に関する情報掲示
http://www.hyper-net.ne.jp/bbs/patio/patio.cgi?id=SANK&mode=view&no=10

■食品安全委への諮問項目絞り込み、政府が審議短縮策

政府が食品安全委員会への諮問内容を絞り込む、という報道ですが、どうも怪しげな絞り方。。食品安全委員会の独立性と存在意義は保てるのでしょうか。

"具体的には「特定危険部位が除去された、生後20か月以内の米国産牛肉がBSE(牛海綿状脳症)に感染している確率」という専門的な判断を求める。審議が難航しそうな問題は「政府間交渉で確認する事項」として諮問から除外する。"(抜粋)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050318-00000201-yom-bus_all

特定危険部位が除去された〜肉」って、これが現実に「どう除去されているか」の【除去率・汚染率】と【飼料管理】が、食の安全を守るための”一番の問題”なんですが、果たして、ちゃんとそれを踏まえて、審議してもらえるんでしょうか。

こんな構図が目に浮かびますよ。
ある委員曰く:「この問題はBSEの食の安全において重要なのですが・・・」
ある委員即答して:「ああ、これは諮問以外の内容ですから。我々は諮問されたことだけ回答すればいいんです。」 「特定危険部位は除去されているものとして考えてください」

だいたい、「政府間交渉で確認する事項」っていったいなんでしょう。また、10月の日米交渉みたいにいい加減に、食の安全に関係ないところで、勝手に20ヵ月以下の牛でOKかも、肉質判断OKかも、なんて調子で、ナアナアにする気ですかね?「政府間交渉=日米交渉」前例が前例なので、消費者としてはぜんぜん信用できないんですが。。

食品安全委員会は【食の安全を守る機関】ではなく、都合のいい【表面的な確率だけの計算機関】にされそうですね。隠蔽やごまかしという食のリスクや、「現実のリスク」に厳しく対処できるリスク管理機関=危機管理機関として機能しないなら、税金の無駄遣いになってしまいます。 

しかし、こんな諮問の仕方ってありますかね??? 本末転倒。このままでいくと、「諮問以外のことは審議しなくていい」、失政、悪政の提灯持ち機関、政治の道具になりかねませんよね。
食品安全委員会は「独立している」んですから、「食の安全を守るために」諮問なんか受けなくたって米国牛の独自評価、提言だってできるはずですよ。プリオン専門調査会の意地を見せていただきたいです。

■最新BSE情報はこちらをWatch!
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi
アメリカの圧力議員(^^;を支えるスポンサー企業など、日本のメディアに報道されないことがWatchされてます。