我々と米国の牛は、まさか「シカ」等を知らぬ間に食べている?!

米国では、狂鹿病(CWD)がいま、大問題になっています。米国の州によっては、野生のシカの2割が感染しているという話もあるほどです。

先日、MAD COW USA(邦題 隠された狂牛病)という本の著者、ジョン・スタウバーさん(John Stauber)の講演に行き、大変な話を伺って参りました。肉骨粉や油脂、肉エキスの製造現場(レンダリング現場)において、「鹿の処理が分離されていない」ところがあるというお話です。

つまり、それが本当だとすれば、米国人も、輸出先国の人も、米国の牛も、鹿などが混入した、肉エキスや動物油脂、血液を食べちゃってるかも知れないということです。

笹山さまにFDAの資料をご紹介いただきました:
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アメリカでの鹿の肉骨粉(deer-based MBM)問題は、このFDAのサイトhttp://www.fda.gov/cvm/Documents/bse3.pdf
に詳しいようですが、この2ページに次のように書いていますね。
「独立系レンダリング業者は、たんぱく質物質を、制限品目と、非制限品目とを、セパレートして処理してはいないとみられる。MBMについても、異なる種のものをミックスして処理しているようである。」
COMPLIANCE REQUIREMENTS AND REGULATORY IMPACTS』
As will be described, however, independent renderers are not expected to separate restricted from unrestricted protein materials in manufacturing mixed species MBM under any of the first three regulatory options. Where cattle protein is restricted, virtually all of the animal protein processed by independent renderers will become restricted. For example, offal from chicken and other nonregulated species that are processed by independent renderers are included in the mixed species MBM they produce.
私、たまたま、見つけたのですが、FDA自体が、コンプライアンスの非適格性を認めているという、問題な資料ですね。
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狂鹿病:参考
シカのCWDという病気は、米国、カナダを初めとする北米大陸で、実は非常に深刻な問題としてとらえられています。州によりましては、野生のシカの10〜15%、20%近くのシカが感染している。それをハントして食べた若いハンターがCJD、ヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病に罹患したというお話や、あるいはシカとウシのスピーシーズバリア、種の壁がどのぐらいあるか不明である点から、こういったものが米国のウシのBSEの発生に影響を与えるのではないかという懸念が持たれていて、私、アメリカの研究者に話を聞きますと、アメリカ政府はこの病気に対して非常に巨額の研究費を投入して、研究を進めようとしていると伺っております。
(抜粋 食安委平成16年4月20日リスコミより)
http://www.fsc.go.jp/koukan/risk160420/koukan160420-gijiroku.pdf

OIEは信用できるか?&【蔓延】米国とカナダで狂鹿病発生 原因は?  
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/d2eaab2902ca588a9560a19a658b01a5

レンダリング工場で作られた動物油脂(骨油)は、いろいろ用途があるでしょうが、フライ物やマーガリン類にも使われているようです。シーズニングオイル、なんて名称でも呼ばれてるようですね。

余談ですが、こんな翻訳もネットで出回っておりますので、ご紹介まで。真偽のほどはわかりませんけれども、仰天の内容です。

肉骨粉のレシピ
http://www.asyura2.com/0311/gm9/msg/133.html
The Dark Side of Recycling
http://www.commondreams.org/headlines02/0106-02.htm

スタウバーさんによると、米国のレンダリング工場は取材をしたくても入れる状況にあらず、一般の人が立ち入れる状況にはないそうです。これは、農水省厚労省食品安全委員会が確認しなければならない重要事項だと思いました。

しかし、日本のレンダリング工場も、どなたか見学された方はおられますか?肉骨粉製造の副産物?である肉エキスや動物油脂の製造現場を見学された消費者の方っておられるのかしら?多くの加工品に含まれ、誰もがおいしく頂いているものですし、ぜひ消費者団体の方々向けにも、見学の機会、公開の機会を作っていただきたいと思いました。

実のところ、日本でも過去にこんな問題があったようです。この肉骨粉や副産物はその後どうなっていたのでしょう?情報をお持ちの方、お教えください。

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犬猫の死がい処理委託問題 徳島市などが業者への委託を中止 県は陳謝 /徳島[毎日新聞/徳島(2002年)2月22日]

 徳島市、鳴門市、佐那河内村が、路上などで死んだ犬猫の死がいの処理を一般廃棄物処理の認可のない徳島市内の肉骨粉加工業者に委託していた問題で、県は21日開かれた県議会 同和・人権・環境対策特別委で、廃棄物処理を適正に行う責任者として陳謝し、同3市村が既にこの業者への委託を中止したことを報告した。

 山田豊委員(共産)の質問に、上野秀樹・廃棄物対策課長と橋本保久企画監が答えた。上野課長は、「これまで相当期間、自治体が業者に委託しており、動物愛護法廃棄物処理法のどちらで解釈するか問題だったが、(一般廃棄物で扱うべきとの)国の解釈が示された。 これを契機に、市町村での適正な処理が行われるよう指導したい」と答弁。
 また、橋本企画監は3市村が認可を持つ業者の委託先を探していることも報告した。  【鈴木健太郎

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ちなみに、私がネットで見かけた、レンダリング場の肉骨粉原料の写真は英国のこの写真しかありません。
http://niah.naro.affrc.go.jp/disease/byori/NIAH-Atlas/BSE/Rendering-01.JPG
http://niah.naro.affrc.go.jp/disease/byori/NIAH-Atlas/BSE/BSE.html