BSEリスク評価に計上されてない問題点その1

2月24日のプリオン専門調査会で、BSEのリスクコミュニケーションで出た意見のまとめが委員に配布されました。
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai20/index.html
その中には現場の重要な情報が多数あり、これがどう調査会のリスク評価にフィードバックされるのかが気になります。

いくつか問題と思われる点をピックアップしてみます。(これらは食品安全委員会の質問ダイアルに質問中です)

◆大津でのリスコミより
飼料規制について、実際の現場への周知徹底はなされているのでしょうか?10月に枚方市の飼料業者さんへの電話で聞き取り調査したところ「危険部位は入っていないけれど牛の4本足は入っていますよ」との返答がありました。厚生省、農水省の規制強化の部分の説明を再度お願いします。

◆参考4−2 東京 平成17年1月17日 P=75 21
SRM除去について、と畜場において除去されているものについては、専門的な場所での除去ということで信頼しています。しかしながら、食肉販売業者などでせき柱を分別している業者について、背根神経節が完全に分別されているのか、甚だ疑問である。ある肉店店主に聞くと「せき柱(せきずい)はと畜場で除去しているから、うちの肉は大丈夫。背根神経節は知らない。保健所からの指導もないよ。」と聞いた。この話は決して作り話ではない。しかも複数店で確認しています。BSE検査を20ヶ月齢にしてもSRM除去が完全だからリスクは増えないというが、信じられない。現場での「背根神経節の除去」の実態調査を是非行っていただきたい。いづれ公開されることもあると思うから、その前に是非調査を!

◆参考4−3 神戸 P=24 10
1. SRM除去において、EUのように腸をすべて除去すべき。「日本が最も厳しい・・・」との説明は事実に反する。
2. EUよりの動物性油脂を原料にした「脂肪酸カルシウム」が大量に輸入され乳牛に与えられた。これについて一言も触れないのは何故か。
3.ミーボンの農家段階での給与がなかったとして話を進めるのはどうか。北海道では常識
4.相変わらず「くさいものにフタ」をする姿勢が変わらないのは残念。

◆長崎
6 飼料工場のラインを分離しても搬送用トラックの分離は無理なのでは。(抜粋)

◆前橋
7 国内に設置してあるSRM焼却炉は700℃前後で一時燃焼して、発生したガスをダイオキシン特別措置法に適合すべく2次燃焼時に800℃以上としているのがほとんどの施設、よって資料に記されている800℃以上で燃焼と違いがある!(抜粋)

◆前橋
9 細菌培養で使用するアメリカなどから輸入するブレインハートインフュージョンなどのブレインは牛の脳が原料であると思っているが現在はその辺の規制とか対策とかあるのですか?医薬品、食品ではないので特に規制はないのですか? または、製造工程中で不活化される処理がとられているのか。正常牛の○○ヶ月齢以下のものを使用しているのですか?(抜粋)

◆大阪
2 SRM除去が80〜75%であったという中間とりまとめの報告があります。ピッシングの問題もありますし、SRMは本当に完全除去されているのでしょうか。
これまでにBSEが発生していない国からは食肉がどのくらい輸入されているのでしょうか。SRM除去やBSE検査がきちんと実施されての食肉と考えられるのでしょうか。

◆神戸
BSE検査について
20ヵ月齢以下では検出されなかったというのが本日配布のQ&Aによれば20ヵ月齢以下の検査牛は1割以下との事。各月齢毎の検出感度を比較するのであれば同じ母集団で比べるべきで、370万頭のうち1割だけというのであれば統計数としてまだ不十分だといえないでしょうか。

◆山口
6 牛用飼料とその他の飼料の分離を交差汚染防止を目的としておこなっているとお聞きしましたが、牛用飼料と豚・鶏用飼料のライン分離(飼料工場)の図を見ると、牛用エリアと鶏・豚用エリアが同じ工場敷地内に存在しているので、徹底された交差防止というのは難しいのではないのかなと思いました。飼料製造工程においての、工場内での原料(材料)の動き(導線と言うべきか、流れ)がよくわからないので、この図を見てもあまりラインが分離されているのが理解しにくいのですが、共通原料タンクや、牛用原料と共通原料が牛用入口から入ってくるという動きが、この図からも見てとれます。この共通原料や、牛用入口においては、牛用飼料と豚・鶏用飼料の原料が混在する可能性がないのかもしれませんが、自分の考えていたライン分離というものは、全く工場自体を別にするというものだったので、工場敷地内での分離ということだったので、疑問に感じました。工場の分離(牛用と豚・鶏用)をしようとすると、工場経営などのコストの問題といった様々な問題が浮上してくるのかもしれませんが、徹底した分離を求めるというのであれば、今後考えていくべきのではないかと思いました。(略)

◆山口
8 固体識別番号(JP番号)の登録に関しては、必ずチェック機能(共済獣医師等臨床の獣医師が最適と思います。)を強化していただきたい。(現状では年齢詐称が多いです)

◆仙台
16 3.新聞やテレビニュースでは”科学的な”という表現が乱用されている。当局は”科学的””技術的””統計的”などの使い分けをきちんと指導すべきではないか?

◆盛岡
3 原因究明に関して 現在までのBSE発生は乳牛のみの発生である。肉用牛とのライフサイクルの違いをみると、幼齢期での哺育の違いと考えられるが、乳牛の代用乳・人工乳に原因があると思われるが、発症試験等の進行状況はいかがでしょうか?

6 これまで350万頭の検査をしているが20ヵ月齢以下の検査頭数(割合)は?

◆秋田
1 トレーサビリティがスタートしたが、先日生産者の履歴偽装が発見されました。対策は?

◆京都
2 ②国内におけるBSE発生原因は飼料の製造および流通でのコンタミと結論づけられていますが、では、何故発生牛が乳牛の経産牛に集中しているのか、もう少し詳しく教えてください。

10「20ヵ月齢での線引き」もこわいことですが、来日したタイソンフーズ社(米・食肉最大手)の労働者によると「解体過程に問題がある。脳や脊髄が飛び散る・・・日本のように吸引することもない・・・タイソン社が自発的に安全対策をとることはないと確信する・・・」(2004.7.22「米国食肉加工労働者を囲むつどい」【朝日新聞】【農民】)輸入再開を急がないで頂きたい!

20 アメリカからの牛肉輸入について、「日本と同等の安全性の確保が前提である」と言われていますが、どの様な科学的検査プランをお持ちなのでしょうか。「20ヵ月以下の牛は検査しなくても大丈夫」との見解はどういう科学的根拠によるのでしょうかおたずね致します。

◆名古屋
12 牛肉骨粉由来成分が入った飼料、肥料の使用は禁止されているが、廃せき柱の扱いはどうなるか。
現在、卸を主とする業者から排出される場合は産廃となるが、小売を主とする事業者からは事業系一廃となる。今後、生ゴミ等の堆肥化事業が行われた場合、肥料に混入するのではないか。
また、現状でも何ら熱処理、不活性化処理されていない牛せき柱を運搬、焼却しているが問題はないか。

◆津 
6 安全焼却といっているが私のいつも通る所、県の牛をそうゆう場所でいつも数多いカラスが地区の田畑に来て建物にも一面カラスの(略)←鳥などによる伝播を心配されているということか?

◆福井
6 牛肉は安全だと分かりましたが、調味料については牛由来のものが多くあります。(etc ビーフシチューの素) 業者やメーカーに問い合わせるとオーストラリア産とか、カナダ産のものという回答です。安全であるという確信がないため、使用を控えていますが、本当のところはどうなのか知りたいです。

◆金沢
9 ブイヨン等、H17〜のBSE牛や輸入牛からの原材料の件はいかがでしょうか?

◆富山
3 生産、流通、販売の方のモラルを向上させるために、なにかしておられますか?違反をする業者がつぎつぎに出てくるので、どこに問題があるか検討しておられますか?

輸入牛受精卵→国内ではどのくらい使用されていますか。輸入牛受精卵のBSEについて説明してください。

◆高知
テレビや新聞誌上で言われている輸入牛肉を地元の肉といつわり販売する。ぶた、鶏肉にいたるまで未だに問題が多くでてきていますのは何故ですか。

◆高松
食品安全委員会におけるプルシナー博士の発言の内容とそれに対する委員会の評価は?

◆横浜
9 質問1 20ヵ月以下牛については、異常プリオンは検出されていないとしていますが、確かに、検査方法による限界はあるとしても、世界でも全頭検査をしているのは、日本のみです。しかも、日本の場合、20ヵ月齢以下の牛が食されるのは少数で、県食肉センターでも年間9500頭処理中、20ヵ月齢以下は、100頭です。症例としても少ないということと、今後の検査方法の改善で、検出される可能性はあると考えるべきと思いますがどうでしょうか。

14 国内でのBSE牛8例目、9例目は23ヶ月、21ヶ月の雄ホルンスタイン、20ヵ月以下を検査除外したとき、雄のホルンスタインを20ヵ月前にと畜することにはならないでしょうか?少々不安を覚えます。

15 BSEの原因が飼料(特に肉骨粉)に由来すると結論が出たと判断いたしました。現在発生以前に使用していた飼料は全部回収なり焼却なりがすんでいるのですか。正しい情報が個々の生産者、販売者にどれだけ届いているか心配しています。どの様に情報の徹底を行うのか実行性のある施策を教えてください。(略)

16 異常プリオンが回腸に発見されるのは6〜18ヶ月とあるが、その後は脳等に蓄積されるまでの間はどうなっているのか。微量であっても体内で増えるのではないか。

EUでの給餌法、育成法が異なるのに日本にあてはめられるのか。

◆さいたま
5 和牛を買ったつもりが、ラベルの貼り替え等による偽装によって米国産や中国産の牛肉を食べていた、というケースが最も消費者の不安や不満を増加させる例ではないかと思われます。この点についてもリスクコミュニケーションを進めて欲しいと思います。

◆静岡
10 高圧洗浄できないところが20%程度あると昨年聞きましたがどうか。

◆長野
9 農水省のホームページにイタリアへの肉骨粉処理工場視察のレポートがアップされないままだが予定はあるのか?

甲府
10 質問2 vCJD感染について、英国での発症は、146人という所から日本でのvCJDは0.1〜0.9となっているが、英国で、発症していないが、感染(盲腸)している人間が、3000人以上いると、推定されている。日本でのvCJDリスクには、感染患者数は、配慮されていない。また、輸血による感染も、疑われるものがある。このようなことから、日本での人への感染リスクは、低いとはいえないのではないか。

◆新潟
9 農水省にお願いします。「BSEの原因究明(その2)に、1990年以前に輸入されたイタリア産肉骨粉に含まれていた病原体・・・可能性」と結論づけているが、1990年〜96年ごろまでに輸出された肉骨粉の可能性をはずした理由は?!「4ヶ月齢に感受性が高い」とすれば、先の可能性の結びつきは低いと思われるが。。。。!!(飼料規制前に輸入肉骨粉を放出したとの指摘があるので)

まだまだ続く。。。