4月8日:OIEコード改正の会議・委員の意見をPick UP

4月8日に行われたOIEのコード改正に関する専門家会議にて、
先日お知らせした、生きた牛の末梢神経からもプリオンの情報のほか、もう一点重要な点がありましたので、報告を。。(農水省のHPには、まだ資料UPされませんね)
http://www.maff.go.jp/soshiki/seisan/eisei/bse/bse_j.htm

先生方が質問して、官庁が回答していたのですが、OIEの「侵入リスク」には、鹿のプリオン病のCWDや羊のスクレイピーも含まれるとのことです。とすると、北米はCWDがかなり発生しておりますので、評価上かなり影響があるように私は思いましたがどうなのでしょう。

他にも、こんな内容の意見が出ていました。
★「ピッシングやスタニングの汚染ばかりが触れられているが、背割りや脊髄除去時の汚染も無視できるリスクではない。それらに触れないのは科学的とは思えない」
★「骨付きと骨なしで分かれているが、骨だけに重点を合わせるのがおかしい。骨だけが感染源ではない。末梢神経、副腎など、わからないSRMが見逃されてしまう。昔のままの古い知見による考えが続いているように思う」
★「【輸入国が要求できる】という点は、コードの中に”明記”文面化されているのか?」
★「BSEの”アクティブサーベイランス”は、ある程度しっかり汚染状況を調べたり対策を取ってから行われたこと。リスク不明な国でアクティブサーベイランスが機能するか疑問」
★「OIEの提言のポイント制によるサーベイランスだと、例えば米国の場合、ポイントの高い「症状牛」2〜3000頭程度の(自己申告)検査でOKとされてしまう。ポイント制は意味をなさない」
★「効果的なフィードバン、の記載について、抽象的すぎる。具体的にどういうことかを記載すべき。自己申告では困る」
★「客観的に評価する機関?が必要」
★「食肉検査に「BSE検査」が入っていない」
★「発症牛と感染牛の扱いの違いがわからない。OIEの理論でいうと、日本の感染牛はすべて発症前なのだが。」
★「症状のない牛を真面目に検査している国のほうが、検査頭数が少ない国より不利になるのはおかしい」
★「健康牛の有病率こそが大事になってくる。日本の蓄積したデータを出すことが大切」
★「30ヶ月区切りには科学的根拠はない」
★「OIEのサーベイランスの診断方法は診断マニュアルがあるが、IHC,WBなど、検査方法に何の方法を使うかがはっきりしておらず、各国だのみ」
★「SRM除去については、評価の異なる国によってSRM除去要求の有無を分けるのはやめるべき。プリオン肉骨粉になり、グローバルな輸出入で、世界中にBSEが広まる可能性がある。米国はアジアにかなり肉骨粉を輸出している。SRMは30ヶ月以上は全頭取るようにしたほうがいい。」
★「腸のSRM指定については、”科学的にはリンパ組織があり全腸が危ない”、ということなのに、SRM除去の方法の違いやら、EUが食べない云々などの問題によりコードが改定されることが、大きな問題だ。」


2005年6月21日訂正。この腸の話は、ちょっと違うニュアンスで言われていたみたいです?議事録が出たのでご覧ください。
http://www.maff.go.jp/soshiki/seisan/eisei/bse/h170408gijiroku.pdf
しかしながら「回腸近位部」なんかは「調べたことがない」んだそうです。それじゃ「感染性不明」が正解ですよねぇ。
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/c9037118b6ff953ec23f7963de33d244


なお、委員会の中には消費者代表の方もおられましたが、ぜひ消費者の代表として、がつん、と言っていただきたかったのですが、今回発言がございませんでした。

OIEのコードの位置づけについての政治的な側面からは、
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi
[1046] Re: OIEのコードの位置づけについて
[1049] もっと娑婆臭くOIE基準をみてみると
掲示板のご投稿をご参照。。。