BSE感染源は肉骨粉ではなく「代用乳」説 &米国2頭目

BSEの感染源としての代用乳

6月11日、日本獣医畜産大学で「BSEと飼料問題」についてのシンポジウムが行われました。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/yiwa/
http://home.hiroshima-u.ac.jp/yiwa/19APS.pdf
トピックは、日本で今まで「不明」とされていたBSE感染の原因を検証するもので、発生した多くの牛に共通する飼料を洗い直し、国の公的発表の計算の不備や間違いを学術的に指摘するものです。
先生方は、「犯人探し」をするのではなく、今後の感染防止、BSE撲滅のために、原因を究明されています。
その調査上で、代用乳や動物油脂などが浮上してきました。

シンポジウムに参加できなかった方で、詳細をお知りになりたい方は、当日の資料を配布(資料代1000円)されていますので、畜産システム研究会に直接お問い合わせを。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/yiwa/

日本の現在判明しているBSE牛において、肉骨粉や交差汚染が感染源ではなく、その他の代用乳などが共通した感染源であるという調査は、今後の対策においても重要な着眼点であります。他国のBSE対策や、輸入問題を考える上でも大きな問題となります。「肉骨粉は食べさせていないから安全です」なんてキャッチフレーズの裏に注意が必要です。

代用乳については、
どうして鹿追町でのBSE二頭発生を問題にしない?
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/index.php?p=288
笹山さんのご解説も見逃せません。

ところでですが、会場から出た意見で、一つ、印象深く疑問に思われた点がありましたのでご紹介を。

「マスコミがともぐい、ともぐい、と、おどろおどろしく報道してしまうから覚えが悪くなった。しかし肉骨粉は飼料として貴重なリサイクル資源なんです。」

獣医学の先生からの、上記のような内容の熱いご意見だったんですけれども、私は「飼料」として使う場合に、上記に3つの疑問を持ちました。

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1. 同じ種のものを食べさせることについて→種の壁がないので、病気が感染しやすいのでは?

2. 大量の個体を混ぜるので、ひとたび汚染されたら病気が伝播しやすいのでは?
  (例・雪印牛乳食中毒事件・牛乳テロ論文不掲載事件・加熱しても駄目な毒素など)

3. 汚染物質の生体濃縮は?
 ※その他、家畜の糞の飼料もあるわけですが、糞はそもそも毒素を排泄する行為でもあり。。。

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肉骨粉」と書くと「動物油脂など」が除かれる語弊があるので「動物再生飼料」の「ともぐい」についてですが、以下は別件、ちょっと思い出したことを。。。

日本でBSEが発生した2001年9月当時、某畜産県の指導的立場におられた学者が、「肉骨粉は貴重なリサイクル資源だ」という主張をずーっとHPに掲載されてました。それは発生した後もしばらく削除されなかったので、注目していたのですが、やがてそれは消えました。その方が、その後BSE対策についていろいろコメントをされているのを見て、よく農家の人は怒らないな、と思ったものです。まぁ、その学者は今も持論を変えていないのでしょうが、指導者たる者が、あれだけの甚大な被害を防ぐことが出来ず、その反省点を踏まえた上での持論なのか?上記の3つのような問題はどうクリアするのか?この点を教えていただきたいです。不勉強な私はこの点を知りたい。


◆米国2頭目疑いの情報について

笹山登生さんとSpeak Easyさんのサイトが詳しいのでそちらにお任せ(^^

頭目BSE発生で、問われるアメリカの検査体制
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/index.php?p=290
Speak EasyさんのアメリBSE特集ページ
http://blog.livedoor.jp/manasan/archives/cat_924521.html
最新情報は笹山掲示
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi