米消費者団体CUが20ヶ月以上全頭検査をUSDAに要求・傍聴

■米消費者団体:コンシューマーズユニオンが20ヶ月以上の牛について全頭検査を要求

20カ月以上の牛、BSEの全頭検査を・米有力消費者団体(確定にはWB法も)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20050622AT2M2200V22062005.html
全頭検査を要請=BSE対策への疑問裏付け−米有力消費者団体
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050622-00000048-jij-pol

June 21, 2005
Consumers Union calls on USDA to go the extra mile to protect consumers, cattle industry
http://www.consumersunion.org/pub/foodmad_cow/002417.html
ちなみに、現在行われているエライザよりもっと感度がよく、若齢牛でも検出が可能な検査の開発がどんどん進んでいるわけですが。

世界初、生体牛テスト開発News & 別件で感度10倍、費用1/10のテストも
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/e8e6ba03556f6bf1ad75cb8e6f408aeb


■2005年6月21日 プリオン専門調査会(米国牛輸入再開問題など)傍聴感想

※最初に別件。米国牛輸入再開問題より先に、にかわかすの肥料使用についての議論が続いていたのですが、今回の資料では、「にかわかす」の文字が消えて「肉骨粉 焼却灰」などとなっていたのが気になりました。(というのは思い違いで、そもそも、世界に先駆けての牛の肉骨粉肥料使用解禁の話だったらしい。)

米国牛輸入審議について、耳がダンボの話題だけを少々ご報告いたします。
議事録や資料のUPサイトはこちら
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai26/index.html
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/index.html

★日米飼料比較について
気になったのは、「日本と米国では育て方が違う」と主張された委員がいたことです。当然のことではありますが、今、日本で感染源として疑われている代用乳を意識されているのか?と、ちょと思いました。
※代用乳については以下。といえば19,20頭目もミルフードAを使用していたとか。
BSE感染源は肉骨粉ではなく「代用乳」説 &米国2頭目
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/23ab0dde4b4a2cdbbb3ec688de8e9bb8

山本茂貴委員の作成した論点メモから抜粋(資料2-5 P=6)
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai26/prion26-siryou2-5.pdf
■米・カナダの牛は若齢期までは主として母乳と牧草で飼育
■飼料(補助飼料を除く)は主として農家で配合 (略

農水省配布の資料から抜粋(資料2-2 P=52)
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai26/prion26-siryou2-2.pdf
米・カナダの肉用牛のライフサイクル(繁殖牛を除く)
■乳用種(約一割) 
代用乳→濃厚飼料・粗飼料
■肉用種
牧草・補助飼料→濃厚飼料・粗飼料
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私はここで【補助飼料】がすごく気になったんですが。血粉や牛の油脂、鶏糞などはいつから食べさせるのか、など。。

資料2−3の最後の
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai26/prion26-siryou2-3.pdf
米国における飼料規制除外品目の項目別整理という表はぜひご覧ください。
牛由来の油脂と血液・血液製品については牛使用OKで、「使用方法(加熱処理条件等)は特に定めていない」とあります。※血液や油脂についてはレンダリング時の回収の際、「汚染なしに回収出来るのか」という点が疑問です。

先日の食健連の米国BSE調査報告会で伺ったことですが、米国の出荷は20ヶ月云々どころか、メイン月齢は14〜16ヶ月、いって18ヶ月だそうです。日本で成長ホルモン剤を使わないで育てるには二十数ヶ月〜30ヶ月、かかるであろうところを、あれだけの若齢で出荷するには成長ホルモン剤が必要で、その成長に、飼料を追いつかせるためにはそれなりの飼料を与えなければならないだろう、とのことでした。BSEも問題だけれど、日本はなぜ成長ホルモンのことを指摘しないのか?と米国の消費者団体の方などが言われていたようです。

また、成長ホルモンと、BSEプリオンの体内での増殖は影響はないのか?などという質問が報告会で出ていました。

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★一時検査で疑陽性になった牛の数比較
 資料2−2 P=47
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai26/prion26-siryou2-2.pdf
上記、印象に残ったので抜粋。

米国:1次検査陽性=3頭/37.5万頭(エライザ 2004年6月〜
カナダ:1次検査陽性=8頭/5万3千頭強(エライザorプリオニクス社簡易WB 2004年〜
日本:1次検査陽性=138頭/445万頭(2001年10月〜2005年3月末 

米国が少ないことが話題になりました。
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★その他、印象に残ったご発言の要旨
小泉直子委員:
>(TBSなどで報道された他の委員らの要求、「国民への説明」義務についての)諮問文章訂正の件について、そんなことやってるより個々のデータを評価するほうがよっぽど大事
山本茂貴委員:
>食安委は米国の規制管理が100%出来ているとして評価するべき  
甲斐委員2名:
>項目ごとに細かく評価すべき、100%が無理なものもあるので+αが必要(交差汚染は起こらないはずなのに起こった) etc..

私としては、食安委において、コンプライアンスが100%出来ているとして評価するという提案が出る時点で、食安委としての危機管理感覚が感じられず、行政側に全て責任を押し付けているのを感じました。国民として「なんじゃそれ?」って感じです。コンプライアンスがちゃんとできてないから問題が起こったんですよね〜。偽装隠蔽など、犯罪心理学、人間行動科学の科学的問題はどこで指摘するのでしょう。仮定ばかりで現実を見ないでどうするんだろ?

関連ですが、行政側は、タイソン労組の告発やNJ競馬場のCJD集団発生、元USDA職員のカナダでの告発スキャンダルに対する食安委への回答として、「諸事万事問題ない」という趣旨の米国大使館の声明を持ち出しておられました。食安委で、このままスルーされないことを願います。NJの件も脳検査はしておりませんよね。

★北本先生の質問
北本哲之先生が質問(宿題)を出されておりました。ご発言要旨の抜粋ですので、議事録が出たら確認してください。
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>我々と国民が一番気にしてるのは、「本当の米国の汚染状況はどうなのか?彼らのサーベイランスで、それがあきらかにできるだろうか?」という点じゃないかなぁと思っています。
>わが国の検査方法を米国でやったらどうなるのか?
>逆に、米国がやっているサーベイランス体制を日本でやったら、わが国はいったい何例のBSE保有国となっただろうか?
>OIEのいっているサーベイランスによって、低リスク国だろうとされる米国とカナダ、我々日本の汚染度を把握?できるのか?

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なお、資料の日本語紹介の中に、今年4月末に出されたUSDAの報告がなかったように思いましたので、厚労省さんに追加をお願いしました。
米国北部に高度のBSE暴露リスク、米国農務省報告
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05050901.htm

米国で問題になっているCWD(狂鹿病)の汚染状況も検討資料に入れるということだったんですが、それもなかったかな?作る方は大変ですね。あっと、ミンク脳症のこともないです。

★今回の審議に関する報道をいくつか
牛肉輸入、安全食品委が再諮問求める(TBS リンク切れ)
http://news.tbs.co.jp/part_news/part_news1211824.html
 政府の 食品安全委員会がBSE問題を話し合う 専門の会議を開きましたが、アメリカ産牛肉の 輸入再開条件を巡る 諮問を出し直すよう厚生労働省などに 求める極めて異例の 事態となりました。 この専門調査会は、 厚生労働省などの 諮問を受けてアメリカ産牛肉の 輸入再開条件を 話し合っていますが、会議では 複数の委員が「諮問の記述が不十分で 国民への説明責任を 果たしていない」と 批判しました。 このため、座長が諮問に至った 経緯や背景、趣旨を 詳しく書き直して 再提出するよう求める 異例の事態となりました。 背景には 一部の委員の間に「政府が 輸入再開の 露払い的な役割を 専門調査会に 押し付けようと している」という反発があるためと みられ、今後の曲折が 予想されます。(21日 20:28)

汚染評価後に安全性審議へ プリオン専門調査会(共同)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050621-00000211-kyodo-soci
20カ月超の安全性も検証へ=米産牛肉輸入再開ずれ込みも−専門調査会(時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050621-00000153-jij-pol
米国とカナダの法令順守体制にも意見を 寺田雅昭食安委委員長(日本食糧新聞
http://www.nissyoku.co.jp/bse/
米国のBSE/徹底的な危険性評価を (日本農業新聞論説)
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/column/0506/21.html
「説明は政府の責任」 米・加産牛肉評価でプリオン専門調査会 疑問・批判相次ぐ(新聞赤旗
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-06-22/14_01_2.html
食品安全委プリオン専門調査会/米国の飼料規制も議論
[2005年06月22日付] (日本農業新聞
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/
 米国・カナダ産牛肉の輸入再開問題で、食品安全委員会プリオン専門調査会は21日、両国の飼料規制の実態などから牛海綿状脳症(BSE)感染率を調べた上で、輸入対象の20カ月齢以下の牛肉の安全性を評価することを決めた。厚労・農水両省は食品安全委の審議の短縮化を念頭に20カ月齢以下の牛に評価対象を絞ったが、プリオン専門調査会が国全体の感染率を確かめる方針を明確化したことで、議論が長引く可能性も出てきた。 専門調査会の山本茂貴委員(国立医薬品食品衛生研究所)が、米国とカナダについてBSE汚染度を国ごとに判断した上で、安全対策を上乗せした20カ月齢以下の牛の肉の安全性を最終的に判断する案を示し、各委員が賛成した。 日本と米加両国の検査体制が大きく異なっていることから、北本哲之委員が「米加両国の検査方法・対象を日本に当てはめて感染牛頭数を試算すれば、汚染度を比べる指標になる」と提案。厚労・農水両省が試算に着手することになった。・・・

その後も追加予定