米国の2頭目に関する疑問&、BSEと労働安全について

米国で2頭目BSEが確定しました。

アメリカのBSE確認検査結果は、陽性。
詳細は笹山さんのブログを
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/index.php?p=299
最新ニュースは掲示
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi

ここで、二つの大きな疑問があります。

■「97年8月の飼料規制導入の前に生まれた」
→曝露は規制後の可能性だって否定できないのでは?

参考:
米国における飼料規制除外品目だそうです
http://blog.livedoor.jp/manasan/archives/26071694.html
血液・牛脂は牛の飼料として使用OK(加熱などの規制なし)
※食安委では、チキンリッター(chiken litter)
〜養鶏場の餌の食べこぼしや糞などのごみについての詳細が入っていない、という指摘も。
※牛の肉骨粉は鶏・豚には使用可。

2000年生まれのBSE患畜 3頭すべてに同一の代用乳 感染源再検討の必要性
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05062301.htm
BSE感染源は肉骨粉ではなく「代用乳」説 
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/23ab0dde4b4a2cdbbb3ec688de8e9bb8

■米国牛は安全だ」と強調
→同じ飼料を食べた同居牛の擬似患畜は今どこでどうしてる?患畜から生まれた子牛は?

参考:
米国 2例目のBSE確認 出生地・出荷農場も不明 大量の擬似患畜はどこへ
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05062501.htm

順次疑問を追加していく予定です。

BSEと労働安全の問題について
米国BSEが発見されてからというもの、
「飼料管理はヒトの感染問題に関係なく、SRM除去を完全にすれば安全」などと述べる学者や団体があちこちで講演なさっておられますが、そこで、BSE牛を解体して下さる精肉加工やレンダリング、肥料、飼料製造、生産の場での、現場の労働安全がすっかり無視されることについて、私はちょっと腹が立っております。BSEは食の安全だけの問題ではない。労働安全の問題でもあります。

感染しててもSRMを除去するから安全? SRM除去をするのは「人間」なんですが。
(大体、SRMも完全除去なんてできっこないのは国も認めている)
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/2364c0b9046c5e63aed236944b9a9e33
BSE感染牛を研究で解剖される先生方や、英国で肉骨粉を管理する人たちが、どんな防備をして仕事されているか知ってますか?

※解剖時防護に関する写真例
http://niah.naro.affrc.go.jp/disease/byori/NIAH-Atlas/BSE/BSE-Autopsy-Atlas/BSE-Autopsy-Atlas.html
※英国の肉骨粉保管庫で作業する人たちは、肉骨粉を吸わないように、目の粘膜に入らないように?防毒ガスマスクのようなもの(わかります?)をつけて作業されてました。写真サイトを失念・・・

米国の精肉加工労組では、「非常に怪我の多い現場」として内部告発が出てるですよ。
昨年の7月には、日本の農水大臣に陳情にまでいらしてるわけです。

タイソン・フーズ社の安全な職場・安全な食品に関する事実
http://www.labornetjp.org/labornet/worldnews/namerica/usnews/20040720local556fact
ローカル556から農水省への申し入れ
http://www.labornetjp.org/labornet/worldnews/namerica/usnews/20040720local556doc

6月28日
「最近アメリカの食肉加工現場の労働者団体の発言が引用されるが、それを取り上げるなら、それと反対の意見も紹介するのがトウゼンだろう」というお叱りを頂いたのですが、反対の意見というか、その後の続報を取り急ぎUPいたします。

告発に対して民主党の調査団が視察を希望したのですが、
「タイソン社がパスコ工場の視察を拒否したため、急遽予定を変更」とのこと。
http://www.yamabiko2000.com/poli_bse-chousadan.html

なお、USDAはこの件について、米国大使館に問題ないという声明を発表しているようです。(41ページ参照)
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai26/prion26-siryou2-2.pdf
この発表については、歩行していた1頭目へたり牛(Downer Cow)と嘘こいたUSDAの発表なので、申し訳ないのだが私は全然信用できないでいます。食安委は大使館の発表だけを聞くのではなく、告発者も召喚して確認すべきであると思う。政治的にできないだろうけど。。だからこの問題は「科学」では語れないんですよ〜。

参考:一頭目患畜をと畜されたDave Louthanさんによる告発ページ
http://www.davelouthan.org/

なお、先日米国にBSE調査団を派遣された食健連という団体の報告によると、今現在、上記労組の代表者の方々に連絡が取れなくなってしまっているそうです。いただいた資料によると、労組潰しの話をきいてきた、というようなことが書いてありましたが。。といえば、参加者のレポートブログを発見したのでご紹介。

やっぱりずさんだったアメリカのBSE対策・・・視察報告より(nanayaのひとりごと)
http://ch.kitaguni.tv/u/5238/%a3%c2%a3%d3%a3%c5/0000233084.html

いやしかし、ぜひ、大衆食に関わる方には、(ちょっとタイトルが仰々しいんですが、内容は大袈裟というわけでないので→)この辺りを読みいただけたらなぁと、ちょっと思いました。大衆食は労働者の味方でもあるけれど、その大衆食を担う現場で働いている方々についての紹介のご本です。

そして、感染する確率を言えというのであれば、それは世界中、どこの学者だって「不明」としか答えられない現状ですが、以下の問題も発生しています。この病気の感染源は「食」だけではありません。

英国:BSE狂牛病)被害者は本当に150人だけ?
盲腸の推計3800人と二次感染予防に関する警告6000人
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/43de01537ba9a244b63cb0412d365181

この問題はまた改めてトピックを作成しようと考えています。


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話ついでに

◆輸出止まり9000人失職、米食肉業界が再開求める◆
ANN 2005/05/25(18:15 テレビ朝日 リンク切れ)
アメリカ産牛肉輸入禁止で、アメリカの食肉業界団体が「9000人以上が職を失い、大きな損害を被っている」と して、牛肉の輸入再開を急ぐよう強く求めました。 全米食肉輸出連合会のセング会長は、BSE牛海綿状脳症)問題で牛肉が輸出できなくなったことで、9000人以上が 職を失い、およそ4600億円の損失が出ていることを明らかにしました。 そして、一刻も早く輸入が再開されることが重要だとして、7月までの再開に強い期待をみせました。 ただ、輸入再開が遅れた場合の報復措置については、「不幸な結果を招く」として、日本に対する報復には否定的な考えを示しています。
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/inte_news.html?now=20050525255410

・タイソン・フーズ社のCEO(最高責任者)であるジョン・タイソン氏は、 2003年に、自分の報酬を3倍に引き上げ、2090万ドルとしました。 彼の報酬については、米国証券取引委員会が現在調査中です。(参照:雑誌「ネーション」
・タイソン・フーズ社パスコ食肉加工場で食肉加工作業をしている労働者は年収がおよそ2万ドルほどです。(略
http://www.labornetjp.org/labornet/worldnews/namerica/usnews/20040720local556fact
http://www.labornetjp.org/labornet/NewsItem/20040716local556

解雇をし、日本に圧力をかけるより先に、経営陣トップのお給料はいくらなのか、どのような経営努力、BSE対策をされているのかを完全公開いただきたいものだと思いますが如何?