食品安全委員会の米国BSE評価計算は欠陥だらけ

食品安全委員会の米国BSE評価たたき台は欠陥だらけ


食品安全委員会の吉川座長や山本委員のたたき台計算を元に、あちこちで「米国の汚染は低い」「日本の5〜6倍」などと、メディアはもちろん、食の安全安心に関する情報をメールマガジンなどで配信しておられる方々も、それら、穴だらけの評価計算をそのままうのみにして、BSE問題はたいしたことない、などという論調を消費者に垂れ流しておられることに、最近私は、本当にギョッとしております。

だいたい日本の汚染だって、2年間も高リスク死亡牛の検査をせずに、ヤバイ牛は生きたまま大量レンダリングなどという告発もあったり、素埋め事件が多発するようなことがあったわけですが。

話は戻って、この、食安委のたたき台評価案
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai32/prion32-siryou3.pdf
の元となるそもそもの(農水省時代の)BSE対策検討チームの感染源評価が統計学的にも決定的に間違っていることを、在野の先生方が指摘されており、日本の20頭中13頭の感染牛の感染源は、代用乳中の牛脂または血漿たん白であるという指摘が、国会の農水委員会でも取り上げられたんですが、
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/23ab0dde4b4a2cdbbb3ec688de8e9bb8
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/b35ba6a5239ef9010394300ee16adb15
本日の時点でも、その資料を持っているはずの食品安全委員会はそれを無視したまま、米国内の牛脂や血漿たん白を使用し続けることによる国内増幅には触れていません。

参考:
米国の肉骨粉と動物油脂中に危険部位はどの位入ってるの?
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/5b5304b94fa3325250627d33a6e94302

さて、どうなりますことやら。。

たたき台の欠陥について、農業情報研究所さんのわかりやすい指摘がございましたので、ご紹介します。

プリオン専門委 たたき台二次案にも重大な欠陥ーレンダリング工程や獣脂には一切触れず
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05100801.htm
>とりわけ重大な問題と指摘した国内牛の暴露・増幅リスクに関して、レンダリング工程の実態には一切無視、「通常のレンダリングでは感染価は約1/100に減少する」とした点について何の修正もない。EUのリスク評価が言うように、

 「米国の約280のレンダリング工場で四つのシステムが使用されている。全システムが100-150℃の温度と様々な加熱時間、大気圧下で加工。

  -バッチ煮沸工場(46):115-125℃、45-90分。

  -連続チューブ・デイスク煮沸システム(220):131-150℃、45-90分。

  -連続多段階蒸発システム(10):115-125℃、20-40分。

  -連続予熱/加圧/蒸発システム(4):87-120℃、240-270分。

>これらは大気圧の下で(つまり加圧することなく)加工しているから、BSE感染性が工程に入れば、これを大きく減らすとは考えられない」(米国の地理的BSEリスクの評価に関する作業グループ報告(欧州食品安全庁) 04.9.4)

というのが事実とすれば、感染牛1頭の”肉骨粉”がもつ感染価は最大でこの評価の100倍にもなってしまうというのにだ。この一事だけをとっても、この評価はまったく信頼できないと分かる (以上抜粋) 笹山登生さんのご指摘です。 今年4月のEFSAのGBRⅡ、Ⅲ、Ⅳ地域の評価(Opinion of the Scientific Panel on Biological Hazards of the European Food Safety Authority on the “Assessment of the human and animal BSE risk posed by tallow with respect to residual BSE risk”.)の前提としては、 フィルタレーション0.15パーセント、最大粒子50mm、133度、20分、3バール加圧 という条件での評価でしたね。 http://www.efsa.eu.int/science/biohaz/biohaz_opinions/1110/biohaz_op_ej221_qra_tallow_en2.pdf 関連情報 BSE:国会で食安委の”科学根拠”に疑問続々 でも報道されず http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/26465737f0866b47c55ab28b7c393d2c 食安委の事務局が不透明に見える件で寺田委員長に伺ってみた http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/11e70e02b14f098e9f24b8189de16aae BSEの原因となる異常プリオンの発見で、ノーベル生理学・医学賞を受賞した米カリフォルニア大学のスタンリー・プルシナー教授は「ある月齢以上なら(BSE) 検査が必要で、それ以下なら異常プリオンがなく検査なしで食用できる? そんな月齢を決めるなんて私には理解できない」と語っている。 http://www.zakzak.co.jp/top/2005_11/t2005110439.html 将来BSEが発生したら、あのエイズの安部さんではないが、皆さん方が責任を問われることになる[衆・農林水産委員会] http://www.asyura2.com/0505/gm11/msg/552.html 英国:BSE狂牛病)被害者は本当に150人だけ?盲腸推計3800人と、二次感染防止通知6000人 http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/c/a0209d89782edb34131184136abc37e0 農水省:「BSEに感染した牛は、骨を取り除いても食肉処理の過程で肉が汚染される可能性がある」 http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/0a2e4459558beb8d921eb79753e6c8fa