BSE:国会で食安委の”科学根拠”に疑問続々 but報道なし

BSE:国会で食安委の”科学根拠”に疑問続々 でも報道されず

米国牛輸入再開が決定したようなムード報道の中、国会衆議院で、BSE問題に関して、食品安全委員会と農水・厚労省に対しての質疑が行われました。

かなり熱い質疑でしたし、議員から多数の「科学的評価に入れるべき重要情報」が指摘されましたが、それらが殆ど報道されなかったのは11月にブッシュさんが来日するから? それとも販促広告費のせい?

ということで、いまやマスコミのタブー?、禁忌?とされている、米国牛のヤバイ実態を知りたい、怖いものを見たい、という方はぜひ、週末のお供にビデオをお楽しみください。(笑 
さて、食安委の次の審議(24日月曜)ではそれら情報は反映されるんでしょうか。

11月15日追記:
衆議院の質疑の会議議事録ができてました。下記にて、ご覧いただけます。
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm
↑委員会名から、順にクリックしてご覧ください。
内閣委員会 第163回 平成17年10月12日第2号 (川内博史議員)
内閣委員会 第163回 平成17年10月19日第4号 (川内博史議員)
農林水産委員会 第163回 平成17年10月19日第2号 (山田正彦議員 高橋千鶴子議員)

衆議院の質疑の中継ビデオは下記にてご覧いただけます。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfm
検索で「日時」と「発言者」を入れるとHITします。

開会日: 平成17年10月12日
発言者名: 川内博史

開会日: 平成17年10月19日
発言者名: 山田正彦
      川内博史
      高橋千鶴

========12日分の内容概略。========
★代用乳の中の牛脂と血漿たん白が感染源としてもっと調査会で追究されるべき。
今の感染源評価の基礎となっている報告書に統計的に重大な間違いがある、という指摘があるので、それを調査会で確認すべき。牛脂と血漿たん白が20頭中13頭の感染源となったなら、それらに全く規制がない米国の評価にも大きくかかわる
★米国の牛の脳や脊髄(SRM)から、16万トンの肉骨粉と、16万トンの牛脂が作られ(2004年)飼料化されている件。
★牛の脳&脊髄入り肉骨粉を食べた100万トンの鶏の糞の、牛の飼料リサイクルについて
★鶏糞尿飼料の30%に肉骨粉が混入しているというFDA長官代理の見積もり
★ミンク脳症や狂鹿病(プリオン病)が存在するにもかかわらず、
 米国で、ミンクや鹿がレンダリングシステムに混入している件。
食品安全委員会の中立公正が問われる件。

============== 順次追加予定。 ======

マスコミの方々は、食安委の希望的というか「こうだったらいいなー」という願望的仮定と推論に基づく、現実の実態として出ている数字を無視した、とても「科学」とは思えない、根拠のない「モデル計算の数字」だけは報道はされてますが、
(計算している座長は一応「モデルだ」と言っているんですが、またまた報道の、数字の一人歩きを黙認、野放しのプリオン専門調査会)

私は、これらモデル計算やら論文?を翻訳して、世界のBSE研究者に見てもらいたい位です。EUの学者なんか驚いちゃうだろうなぁ。EUの食品安全局が「米国のレンダリングでは大気圧下のため感染性は減少するとは思えない レンダリング評価は”不合格”」と評価してるのが、日本の吉川座長の計算だと「レンダリングで1/100に感染性は減少」なんてモデル計算を出してるんですもん。なんだそれ。
米国在住のセイファー教授やプルシナー教授は、さて、これら「科学的評価」を見たら、なんてコメントするだろうか。

周りの方は、自分は食べても子供には食べさせない、なんていわれてる方もおられるけれど、子供が事故でもして、輸血や血液製剤を使う、とか、歯医者にいく、なんてことを考えると、とてもじゃないけれど、「個人の選択」な問題ではありませんね。

ちなみにこの質疑で報道されたのは、次の2点くらいではないでしょうか。
■BSE問題:「安全」パンフを政府調査会座長代理が監修
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20051013k0000m040083000c.html
 米国食肉輸出連合会が作った米牛肉の安全性を訴えるパンフレットを、政府の食品安全委員会(寺田雅昭委員長)リスクコミュニケーション専門調査会座長代理を務める唐木英明・東大名誉教授が監修していたことが分かった。12日の衆院内閣委員会で川内博史議員(民主)が「食品安全行政の中立・公正を疑わせる」と指摘した。寺田委員長は、唐木氏は牛肉輸入を審議する委員ではないとしたが、「もう少し気をつけたらいいのにと思う」と答え、問題があったとの認識を示した。

 パンフレットは「知って安心BSEのホント」との題でA5判18ページ。連合会が昨年6月に約1万部を作った。唐木氏はパンフレットの中の対談にも登場し「アメリカの(脳などの)特定部位の除去は徹底していた」「(日本のような)全頭検査の必要はない」などと話している。経歴欄に「食品安全委員会専門委員」との記載がある。

 安全委は、プリオン専門調査会で米国・カナダ産の牛肉の安全性を審議中。寺田委員長は「(監修は)委員会の立場としてではないので、まあしょうがない」と話した。一方で、唐木氏には以前に、発言の際は安全委の肩書を使わないよう注意していたことを明らかにした。【高木昭午】
毎日新聞 2005年10月12日 20時21分

■米産牛 輸入の前提“お粗末” 査察体制ほとんどなし
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-10-20/2005102015_01_2.html
 日本政府が米国産牛肉輸入再開のための条件としている米国内の“BSE(牛海綿状脳症)安全対策”にたいし、日本政府にはほとんど査察体制がなく、月1回でも査察率はわずか3%程度。実効性はない――。19日の衆院農水委員会で、日本共産党高橋千鶴子議員はそんな実態を明らかにしました。日本政府が急ぐ輸入再開の前提そのものが揺らいでいます。

■高橋議員が追及
 政府は現在アメリカの圧力を受け、米国産牛肉の早期輸入再開をめざしています。そのために、内閣府食品安全委員会に「生後二十カ月以下」「危険部位の除去」という条件をつけ、米国産牛肉と国産牛肉のリスクは「同等」かどうかの評価を求める諮問をしています。食品安全委員会の審議では、輸入条件の完全順守が大前提となってきました。しかし、その前提の実効性にはこれまでも強い疑問が指摘されており、政府は「査察の実施で実効性をあげる」(農水省の石原葵事務次官)などと言明してきました。

 しかし、高橋議員によると、米国では、一日あたり一施設で約五千頭と畜されているのに、査察にあたる日本政府の人員体制は農水省動物検疫所の家畜防疫官二十三人と厚生労働省監視安全課の職員二人だけです。

 米国産牛肉輸入を含む農水省の査察活動の来年度予算要求は約四千万円です。
 動物検疫所の家畜防疫官は、米国産牛肉査察だけでなく、口蹄(こうてい)疫が発生した中国などからの輸入条件の査察も任務です。
 しかも、米国内での日本向け米国産牛肉の処理施設は約三十施設。訪米して毎日査察すると年間約一万九百五十回の査察が必要になる計算です。
 高橋議員は、「仮に十人が月一回米国に出向いて三十施設を査察しても査察回数は年三百六十回。査察率はせいぜい3・2%にすぎない」と指摘。航空運賃など旅費を考えるだけで予算オーバーになるような「人員と予算でまともな査察となり、担保できるのか」とただしました。

■政府「これから詰める」

 農水省の中川坦消費・安全局長は、「(月齢判定の)枝肉格付けなどを常駐に近い形でみるわけではない」「頻度その他はこれから詰めるところ」と答弁。多くを「書類」の審査などに頼る意向を示しました。
 岩永峯一農水相は「(再開は)食品安全委員会の答申を踏まえていく」と答えました。

参考:
最近報道された、米国食肉加工場の様子では、
■日経スペシャル「ガイアの夜明けアメリカ牛肉は大丈夫か
8月16日放送 第174回

http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview050816.html
閲覧者のまとめが↓にUPされてますけれど、私も見ましたけど
牛の緑色のぶつぶつの膿瘍(病変)を、肉に付着させたままそのまま出荷してるとか、やってましたね。再放送希望。
http://nyoze.seesaa.net/article/8294815.html