食安委事務局が不透明に見える件で寺田委員長に質問

傍聴行ってまいりました。

資料や議事録は下記にUPされます。
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai33/index.html
議事録はここ

昨日のプリオン専門調査会では、日本獣医畜産大学の木村信熙先生が参考人として招致され、日本の過去20頭のBSE牛の感染源についての表(資料4)が提示されました。

日本の20頭中13頭に共通する代用乳の成分を、感染源として見直すべき、過去のBSE対策チーム報告書の統計手法の誤りは認め、代用乳のリスクを検証すべきであり、米国牛の安全性や感染源にも関わる問題である、という発言をされました。でも報道を見てるとそれらは悉く無視されていてますね。

代用乳中の牛脂や血漿たん白といえば。。。(10月26日追加)
食品安全委員会で現場にずっとおられた、飼料の専門家の木村信熙先生に吉川座長が質問をしていて、その回答を思い出したのですが、

肉骨粉と違い、油脂のタローは、輸送中などで、脂肪と不純物は分離、不純物の濃度が高まるので、危険なものが入るとしたら、全体の一部にムラが集まるから、「濃度が低いから安全とはいえない」、という話が出ていたと思いました。

たとえば、0.15%の基準で処理していたとしても、危ないかも知れない不純物は底に溜まったりして高濃度になるということでしょうか。現場では常識のお話のようですが、それら現場をしらない方たちが日本の食の安全を議論してるって怖いと思いました。

参考:
日本のBSE感染源は肉骨粉ではなく「代用乳材料の汚染」説
衆院:農水委員会のBSE質疑で油脂・血液飼料の問題指摘&食安委内紛

また、木村先生は、鶏糞ごみ飼料などについても、異常プリオンは鶏に吸収されずに排泄する旨を少なからずの委員がご発言されている旨、それらも感染源としてもっとしっかり検討すべき、という、「現場」を知る、飼料の専門家のお立場から指摘されたにもかかわらず、審議会では、それらもさらっと流されてしまいました。次回に反映されるのでしょうか?

また、過去のとりまとめ案で、報告の本文内容と結論部分が異なる点など、食安委の不透明さについて触れられたところ、寺田委員長が、木村先生がおっしゃってもいない「捏造」とか「偽造」という言葉に置き換えて怒って反論していたことについて、私は、寺田委員長の反論に納得ができず、あとで直接寺田委員長に食安委事務局の不透明さの具体例を出して問題点を伺いにいきました。

事務局は、いつも、「国民からの情報を委員に提供している」、というように回答しておりますが、現実的には委員に情報が伝わってないことが少なくありません。

私はいままでたくさんの情報提供を食品安全委員会にして、そのつど事務局から、「いただいた情報は委員に情報提供いたします」というような回答をもらっていたにもかかわらず、

今年の1月ごろ?ある2名の委員に直接それら情報について伺ったら、「このような形でこれら情報などを事務局からもらったことがない」という話を頂戴した、という話を寺田委員長にしたら、たいそうお困りになったお顔をされて「事務局は3人という少ない人数でやってるから」といわれていました。

それから、たとえば、5月の答申前の1月と4月に、日生協が食安委に陳情した「日本の牛において、危険部位である舌扁桃が除去されていない」という、ピッシングよりさらに重大問題と考えられる指摘などについても、
http://www.co-op.or.jp/jccu/news/syoku/syo_050127_01.htm
http://www.co-op.or.jp/jccu/news/syoku/syo_050418_02.htm

事務局は「皆様からいただいた情報は委員全員に伝えている」などと回答しておりましたけれども、寺田委員長は本日うかがったら「知らなかったです」といわれていました。

もし委員に伝えていたら、この重大な情報が国内のBSE対策改定の答申案で話題にでないはずがございませんよね。?それとも委員はSRMが除去されていない現実を審議で一切無視したのでしょうか?

私はこれは大問題だと思うのですが。
まず、今は舌扁桃は除去されているのでしょうか?
また、なんで国内見直しのリスクの中に上記重要情報が含まれなかったのでしょうか?

また、「昨年9月のとりまとめ案について、本会議に上がる前には、わずか数日しかなかったですが、たとえば品川先生にしても、全部その案を読んでOKを出した上で本会議に提出されたのでしょうか?」という質問に関しても、寺田委員長は、歯切れの悪いご回答をされてました。

鶏糞の3割が肉骨粉という情報や、SRMから32万トンの肉骨粉や牛脂、などという情報は、私は、10月14日ごろに食安委に送って、18日に「この情報は委員全員に配布する所存です」という事務局の回答を得ましたが、 寺田委員長が仰るには、「2、3日前にそういったメールがきたようだ」とのことでした。

「不透明でないというのであれば、なぜ委員に配布した情報を公開審議の場で国民にわかる形で配布しないのでしょうか?」とうかがったら、寺田委員長は、「それはそうですね、おかしいですね、改善するようにします」と、言ってくださいました。

なお、帰り際、山本委員が記者さんと話をしていたので、
「100万トン与えられている牛の鶏糞飼料の3割に肉骨粉が混入している情報やSRM由来の肉骨粉が32万トン、死亡動物由来を含めて57万トンが飼料になっている話はなんで一切出てこないのですか、たたき台に反映されないのでしょうか」と伺ったら、山本委員は「私はその話を把握していません」と回答されました。

また、CWD(狂鹿病)とミンク脳症の話がたたき台に出ました。その記述は事務局の梅田様が作成されたようで、他の委員から、根拠となる論文などについて質問が出たときに、吉川座長が梅田様に内容の確認をしていました。

たたき台には、「反芻動物由来の飼料を与えることは97年に規制されているので(CWDに関して)リスクは少ないと思われる」というような記載がされていましたが、

私は食安委事務局に、笹山さんから頂戴した情報など、規制遵守が守られていないという下記情報を送っています。でもそれはたたき台に反映されてませんでした。http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/ef1a5352ddaf5677d9dee3a1259db737

北本委員より、CWDはもう米国では大・大問題で、
「米国で、鹿を食べてヤコブ病になったのではないかと疑われる例が20名あるという話がWHO内でも問題になっている」し、
こんな甘いまとめ方ではいけないのではないか、という指摘がされたのですが、

見上委員から、「CWDは牛に影響があるのか?ヒトに影響があるのか?」「そんなことまで含めてたら結論までに10年かかる」とか何とかクレームが出ました。それに対して金子委員が反論をしていました。

(といえば、CWDとヒトの感染について新しい論文が出るようです。11月号とのことですからもう出ているかも?)

Questions linger in U.S. CJD cases
http://www.upi.com/HealthBusiness/view.php?StoryID=20051019-090103-6576r
No human cases of CWD have ever been confirmed, but the disease has been shown to infect human cells in a lab dish. Also, a team of researchers led by Jason Bartz of Creighton University in Omaha, Neb., report in the November issue of the Journal of Virology they had experimentally transmitted CWD to squirrel monkeys --the first reported transmission of CWD to primates.

If CWD is capable of infecting humans, it is unknown whether the resulting disease would resemble sCJD, vCJD or a novel disorder. If the disease looks like sCJD, cases could be going undetected or misdiagnosed.

なお、CWDについて論文を出されていたエリザベス ウイリアムズさんは、お亡くなりになってしまったとのことで、どうのこうの、という話が出てました。(要領を得ずすみません(^^;)

また、北本先生は、CWDは大事な話ではあるが、今、なぜ唐突にCWDの話が出てきたのか?ということをいわれてました。それらを伺って、全体的に調査会の意思の疎通がなされてないように感じました。

金子委員より、今やっている日本の審議が世界に通用する「科学」と捉えられたら困る、諮問で2つの限定が出ていて、その範囲での回答ということである、というような意見がでました。

吉川座長のモデル試算、通常のレンダリングで感染性は1/100に減少する、という点などは一切変更されてませんでした。EUの評価では「米国の方法では感染性は減少するとはいえない」としているのに、なんでそれがたたき台では1/100になるのでしょうか?」と山本委員に質問したのですが「その点は私は不明」といわれていたような?ちょっとあやふやですみません。

なお、米国への質問事項の回答に関して、業界の言い分がそのまま掲載されてたりなんてのもあったんですが、なんで日本として科学的に確認しないのかなぁと思いました。

取り急ぎ気がついたことを。。。

11月14日追記:
■国民とのBSE意見交換会で指摘されながら、調査会公開審議では、一切壇上にあがることなく、無視されてきた数々の問題点と現場の声
BSEリスコミで出た意見より・・・リスク評価に計上されてない問題点その1
BSEリスコミで出た意見2 SRM焼却や汚水の問題

<今回の報道>
プリオン調査会>米産牛肉 年内にも輸入再開の見通し(毎日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051024-00000121-mai-soci
米国・カナダ産牛肉 結論先送り 食安委プリオン専門調査会(日本食糧新聞
http://www.nissyoku.co.jp/
食品安全委 米国産牛肉輸入再開に向けた最終結論は次回持ち越し(NNN)動画あり<10/24 19:54>
http://www.nnn24.com/45566.html
食品安全委「牛肉のリスク、日米の差は極小」・年内解禁濃厚に(日経)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20051024AT1F2401024102005.html
輸入再開を事実上容認 12月にも北米産牛肉解禁へ(共同)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051024-00000241-kyodo-bus_all
プリオン調査会答申案の原案要旨(山陽新聞
http://www.sanyo.oni.co.jp/newspack/20051024/20051024010086181.html
米・カナダ産牛肉、12月にも輸入再開へ(読売)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051024-00000013-yom-bus_all
牛肉危険度、国産と差「小さい」 食品安全委が答申原案(朝日)
http://www.asahi.com/special/bse/TKY200510240243.html
北米産牛肉、年内にも輸入再開見通し(TBS)
http://news.tbs.co.jp/top_news/top_news3144733.html
米牛肉輸入問題 審議継続へ(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/syoten/
食品安全委 米国牛肉輸入、答申原案提示 条件順守、安全の前提(産経)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051025-00000006-san-pol
10月25日付・読売社説(1)
 [米国産牛肉」「輸入再開を遅らせる政治の怠慢」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20051024ig90.htm
これから配信される報道機関もあるので、順次追加予定

追加:
牛肉輸入12月にも再開 大手スーパー、即販売には慎重
FujiSankei Business i. 2005/10/25  
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200510250028a.nwc
食品安全委 米国牛肉輸入、答申原案提示 条件順守、安全の前提 (産経)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051025-00000006-san-pol
<米国産牛肉>輸入再開へ 安全性大丈夫? 消費者ら複雑(毎日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051025-00000022-mai-soci輸入再開を事実上容認 12月にも北米産牛肉解禁へ
http://www.usfl.com/Daily/News/05/10/1024_019.asp
“楽観的材料だけ” “強引な結論…”「危険部位除去」「生後20カ月以下」というが 「本当に守られるのか」米国牛肉 輸入容認案に異論続出(赤旗
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-10-25/2005102503_01_2.html
↑一番全委員の意見を反映してる記事と思いました。

笹山さんの掲示板[1949] 以降にも情報を書かせていただいております。
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi