2005年1月19日 牛の月齢の検討会(第二回)傍聴記

19日、傍聴にいって参りました。アメリカの方が、35ヶ月以下の牛でBSEが出る確率は16億分の1とか、50年に1回とか力説してましたが、どういう根拠からそういう話が出るのだか・・・(^^;何ヶ月の牛であろうと、「感染した牛」を輸出されたらたまたものじゃありません。意味のない月齢云々の話をするなら、一番大切な飼料管理と危険部位除去の改善についてどうして話し合いの場を持たないのか。そして、米国に改善を求めなければ、血液製剤を輸入している日本もこれまた対岸の火事ではないわけです。まぁ、ナンセンスな会議でした。

◆各紙が伝える月齢判定会議結果
”BSEの対策”としての観点から見たら、実にナンセンスな会議だと思いますが、どういう話が出たかの報道をいくつか引っ張ってきました。

256分の0はゼロではない 成熟度と月齢の関係を検討 米国の報告書で(日本食糧新聞
http://www.nissyoku.co.jp/
牛の月齢判別法、採用判断は先送り BSE専門家会合(朝日)
http://www.asahi.com/special/bse/
(05/01/19)牛月齢判別の日米協議、決着へ前進・米側新提案を評価
http://health.nikkei.co.jp/bse/

報道されている以外で、委員の発言要旨で印象的だったものをUPします。

明星大学 理工学部教授 広津千尋委員(統計学
「今回米国が出したデータサンプルは私が要望していたものと違う。要望していたものは、”こういうサンプルを何度も続けて調査したときのデータ”であり、統計学的議論がなく、期待されるものではなかった」
「最後のコメントとして、これで検討することになるが、このデータに基づいて、探索的なものとなる。(こういうものは)クリニカルトライアル(臨床試験?)を経て、検証試験をしてから、ベリファイズするのが常識であり、検証試験が必要だと考えています。」
「A40についての月齢のカットポイント(一番数値が高く徐々に数値が減る分岐点)から急激にゼロになる(18ヶ月以上に数字が出てこない)ことについて不自然さを少々感じています。」(他のA50やA60はカットポイントからも数字がだらだら続いています)

◆社団法人日本食肉格付協会 規格専門委員長 中井博康委員
「(これらデータについて)”文章化する必要があると思います」←(論文にすべきということか)
「骨格についてはある程度の相関関係があるのはわかりましたが、肉色は違いがでるので難しい。品種、運動量、ストレスなどによって色は変わります。」

アメリカの研究者からの情報
「年間3500万頭と畜。USDA GRADER(格付け員)は160人」

そこで私の疑問です。1頭あたりのチェック時間は何分?何秒?

最後に、百歩譲って、月齢と肉質についてだけの会議をしていると考えても、米国の言い分だけを聞き、論文にもなっていないものを、広津先生のいうように「検証試験」なしで判断されたらたまったものではないと思いました。

※九郎丸正道先生と柴田秀史先生がご都合が悪く欠席でした。