「20ヶ月齢記載を削除しろ」と食安委

本日のプリオン調査会の資料は興味深かったですよ〜。まだHPに掲載されてませんが、たぶん多くのメディアが報道しないと思うんで、いくつかトピックをピックアップしますね。
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/index.html


まず、【資料1−1 専門委員からの意見】から。。
・(中間とりまとめ案について)委員会からの依頼・論議もないまま作製されたものであり、また、内容には独断と誤りも見られたので指摘したが、中立ではなく何か”ある種の意図”のようなものを感じる。白紙から作り直したほうがよいのでは?
・第18回プリオン専門調査会で議論されたように、書き方を修正すべき。

そして、
【資料1−3「専門委員からの意見」】の修正案では、以下の文章を削除すべき、と、訂正線が。
「なお、本調査会は、20ヶ月齢以下のみならず、延髄閂部の異常プリオンたん白質が現在のBSE検査の検出限界量に達していない場合には、21ヶ月齢以上のBSE感染牛においても検出することができない点を指摘しておきたい。」←これに訂正線が入ってます。

また、上記の5ページ目にはこんな文言も。
・なぜ年齢(月齢)にこんなに拘るのか?汚染飼料の性格から多くの場合、生後まもなく感染すると推定され、見かけ上年齢に関連して見えるに過ぎない。厳密には年齢とは無関係で、感染量と感染時期によって検出量に達する時期が決まるのである故にこんな指摘は不見識である何を目的として「なおーーー」(第18回プリオン専門調査会におけるたたき台中の記述)を記入したか理由が知りたい。
・今回は20ヶ月が対象にとなっているが、次は24または30ヶ月で線引きするための伏線?

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ところで、その他議題として、豚の肉骨粉を豚と鶏に食べさせることは解禁ということになったようです。輸入ものについても国内と同一の条件を満たせば輸入再開、ということになるそうですが、例えば、米国の、BSE牛の肉骨粉でも豚であれば食べさせてよし、なんてお達しが過去にでてましたが、そういう飼料を食べた豚の肉骨粉も輸入OKなんてことになってしまうのか?そこが疑問でした。

しかし、食安委が招待した英国の学者さんは、「豚と鶏も感染する」とリスコミで発言し、また、プルシナー氏は、「プリオンを持つ動物は孤発性のプリオン病を発生させる可能性がある」なんて言われていたわけですが、ともぐい再開させて果たして大丈夫なのか、私は大いなる疑問を持ちました。

本日の会議について、日本食糧新聞さんが以下のように伝えています。
http://www.nissyoku.co.jp/


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2005年5月13日追加:
平成16年12月22日の食品安全委員会議事録抜粋。

○甲斐専門委員 今もありましたように、月齢で安全とか安全じゃないとか線を引くのは全然科学的なことだとは思えないんですが

○山内専門委員 今のイギリスの例に関して、20ケ月齢の牛の場合に、ここでは3か月前だったら、検査で見つかるだろうというふうにEUの報告書は述べてあると書いてありますが、EUの報告書は17か月、もしくは最悪のシナリオでいけば13か月で見つかると書いてあるわけです。私はそのこともこの前の委員会で申し上げましたけれども、なぜか削られてしまっているんです。EUのレポートにはっきり書いてあります。レー・ブラッドレーとオーストリアの神経病理のブドウカ教授2人が書いた報告です。

○金子座長代理 今の2ページの関連の知見のところですけれども、1つは、そこの最後のところですね。「直ちにこの推測が」という、今の先生方がお話された点、私、座長代理などという名前が付いていますので、これは私が全部承認したと思われると誤解を招くと思いますので、一言申し上げますけれども 、これについては私も一度削った文言なんです。ですから、ここで先生方の前でもう一度ディスカッションしていただきたいと私も思っておりますし、その上の20ケ月以下でも検出可能かもしれないというのは、今の北本先生の御意見もそうですし、山内先生もそうですけれども、これはもっと早くてもいいわけです
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai18/161222_dai18kai_prion_gijiroku.pdf

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英国におけるBSE発生の若齢牛と高齢牛(遺伝子組み換え情報室さんのサイトから)
http://www2.odn.ne.jp/~cdu37690/eikokunobsejyakureigyu.htm

20ヶ月の「発症牛」は存在するんですが、報道されませんね〜。