BSEに感染した牛は、骨除いても食肉処理過程で肉汚染

結局、「危険部位除去」だけでは、BSE対策の要にはなり得ないことがよくわかる記事をUPします。飼料管理がなっていない牛など食べられませんね。20ヶ月以下なら輸入OK、などと適当な回答を作成した「日米実務者会合?」のメンバー個人個人が責任を持って尻拭いをしていただきたいものです。罷免請求とかできないのかな?

農水省:「BSEに感染した牛は、骨を取り除いても食肉処理の過程で肉が汚染される可能性がある」

農水省、OIEに牛肉輸入条件緩和改正案について反対する意見書提出
http://fnn.fujitv.co.jp/headlines/CONN00069841.html
 OIE(国際獣疫事務局)が牛肉の輸入条件を緩和しようとしていることに対し、農水省は反対する意見書をOIEに提出した。OIEはこれまで、BSE(牛海綿状脳症)の発生状況などに応じて、牛肉の貿易に条件をつけていた。しかし、22日から開かれるOIEの総会では、適切な処理をされた骨のついていない牛肉については、無条件で貿易できるとする改正案が提出されることになっている。これに対し、農水省は「BSEに感染した牛は、骨を取り除いても食肉処理の過程で肉が汚染される可能性がある」などとして、この改正案に反対する意見書をOIEに提出した。

ほんとだ、書いてありますよ。
http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050511press_1b.pdf
BSE感染牛に由来する骨格筋肉については、脱骨されていても、とさつ及び食肉、処理の工程において蓄積した異常プリオンたん白質に汚染される可能性があるためフードチェーン及びフィードチェーンから排除すべきである。この改正案は、BSE感染牛は完全に処分すべきとの規定を他の部分( 第3 条及び第4 条) で含んでいるBSEコード改正案そのもの及び同様の勧告を含む96年のWHO勧告との整合性がない。
(略)
これに関連して、最近我が国において、と畜場における緊急とさつ牛及び農場における死亡牛のBSE感染牛から、SRM以外の組織( 腰神経等の末梢神経) に微量の異常プリオンたん白質の蓄積が確認されたことに留意願いたい。動物衛生研究所がこれらの組織の感染性を確認するための試験を現在継続しているところである。この試験は2年以内に終了する見込みである。極く限られた科学的根拠が利用可能な状況においては、人と動物の安全を確保するため、より慎重なアプローチが採用されるべきである。(抜粋)

農水省厚労省:「①日本側の同じ定義のSRMの除去 ②20ヵ月齢以下の牛肉、内臓③成熟度による月齢証明などを食品安全委員会に諮問

自民党小委員会、米国産牛肉再開の諮問の考え方を了承
http://www.nissyoku.co.jp/
 厚労省農水省は12日、自民党の動植物検疫及び消費安全に関する小委員会(委員長=宮路和明衆院議員)に米国産牛肉の輸入再開について食品安全委員会への諮問の考え方を説明、了承を得た。昨年10月の日米局長会合の結果にそって、①日本側の同じ定義のSRMの除去 ②20ヵ月齢以下の牛肉、内臓 ③成熟度による月齢証明などで米国農務省(USDA)が認証する仕組み。この仕組みに則した牛肉と内臓について国産のリスクと同じかどうかで諮問する。飼料規制など直接的な諮問事項ではないものについても、食安委に提出する。諮問案は早ければ5月中にも食安委に提出。輸入再開の時期について、宮路委員長は輸入再開時期を明確にしていない。(5月12日11:02)

注:
「消費者団体の担当は、”BSEの原因物質が末梢神経にさえ検出された上に、しかも危険部位を”完全に”取り除くことなんてことは不可能だ」と指摘
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/c9037118b6ff953ec23f7963de33d244

NHKは「牛の脳やせき髄などの危険部位完全に除いたり」なんて報道しちゃってますが。
米 牛肉輸入再開案まとめる
http://www3.nhk.or.jp/news/2005/05/12/d20050512000082.html
これは、12日、開かれた自民党の消費安全小委員会に諮られ、了承されたものです。それによりますと、日米両政府は、日本にアメリカ産の牛肉を供給するアメリカの生産者や食肉処理業者などは、▽アメリカ農務省の認証を受けた上で、▽牛の脳やせき髄などの危険部位を完全に除いたり、生後20か月以下の牛を確実に証明する。▽こうした基本的な規定に違反した事業者については、認証を取り消したり罰則を適用したりすることで、安全性を確保するなどとした具体的な輸入再開の条件をまとめました。その上で、政府は、こうした条件の下で輸入されるアメリカ産の牛肉と内臓が国産牛肉と同じ様に安全かどうかを、今月末にも内閣府食品安全委員会に諮問することにしています。これと並行して政府は、こうした方針について、13日から今月20日までの日程で全国9か所で国民に説明するとともに、意見を求めることにしています。


■ちなみに当時報道されなかった専門家の大勢の見解
2005年1月21日 プリオン調査委員会傍聴記 その1 「20ヶ月齢記載は削除しろ」と委員
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/231654948ea4804c86cc0fd488153063
なぜ年齢(月齢)にこんなに拘るのか?汚染飼料の性格から多くの場合、生後まもなく感染すると推定され、見かけ上年齢に関連して見えるに過ぎない。厳密には年齢とは無関係で、感染量と感染時期によって検出量に達する時期が決まるのである故にこんな指摘は不見識である(略)

もはや、国をあげての茶番にしか見えなかったりする。

農水省厚労省が「飼料規制など直接的な諮問事項ではないものについても、食安委に提出する。」というところが、”最終責任”のなすりつけ合い、ってことですかね。

関連
アメリカ牛は本当に安全か? その2 鶏糞に糖蜜をかけた飼料とは?
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/462f08e8cc6a6919618c3b8acbedde00
BSE最新と過去のニュース & アメリカ牛は本当に安全か?(EUによる米国評価)
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/18d64aa98bf84460a8424a70764212fb
アメリカの食肉処理の現場で内部告発が続いている
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/89c21679c9a1a74908daa94270800649
アメリカの検査方法に不備」の件
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/7034c7f696e9e525713f729103c2d7ec
昨年2月の食安委の議事録「1993年から米国はBSEに汚染されている」という報告
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/75a1947dbfa842f53eaa2d03873403c4